【声劇台本】朧月
妖(ぽぴー)・少年( ) 演奏/KyaN
【声劇台本】朧月
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お借りしました!少年お願いします!
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妖:名など、忘れてしまったよ。
一瞥(いちべつ)もせずに彼女はそう言った。
妖:親も子も無い妖に何故名があるか、
不思議に思った事はないか?
自ら名乗る者もいれば
誰かから授かる者もいる
それは親愛の証か…呪いだ。
少年:…呪い?
妖:呼ばれる事の無い名など呪いでしかない。
そんなものに縛られるのはごめんだ。
強い眼差しとは裏腹に
その妖は消えてしまいそうに儚かった。
妖:…この月夜のようだと、
そう言ったものがいたな。
ぽつりと呟く。
霞がかった月の下、ぼんやりと輝く彼女の姿が、
月夜と重なって見えた。
少年:そうか…
お前の名前は「朧(おぼろ)」だ。
妖:…月のようなどと、よく言えたものだな。
お前たち人間の方が余程儚いではないか。
どんなに愛しても先に逝ってしまう。
月など…何度霞(かすみ)に攫(さら)われても
また現れてしまう。
私は月などでは無く、人になりたかったよ。
#夏目友人帳 #KyaNぴあの
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