【声劇】 限られた色
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【声劇】 限られた色
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#声劇 #一人声劇 #声劇台本 #台本 #朗読 #ペテン師の台本
幼い頃は、まだ何も知らなかった。
地球の色も形も。
人間の罪も。
君のついた嘘の意味も。
ただ、そこにあるクレヨンで未来を描いた。夢を抱いた。
必死にその日を生きていた。
でも時が過ぎるたび、何度も何度も書き直して、少しずつ小さな夢にして。
悲しみを知る度、自分を低く見積もった。
夢を手放して、悲しい言葉を知る度に私は歳をとる。
何度も言葉を飲み込んで。
感情を殺し大人になるなら、もう真実はいらない。
悲しい歌は希望を与え、美しいメロディーは現実へ引き戻す。
現実を知る度、大人になる度すり減ったクレヨンは、あと何色残っているだろうか。
限られた色で夢を描き、捨て、涙しよう。
拝啓、まだ幼い誰かへ。
どうか君の夢が散りませんように。
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