【声劇】彼女が通れば鈴が鳴る

台本

―――――― 初台本になります！！ 上が男性用、下が女性用になります！ ―――――― 『設定』 語り手 天文部の部員。 彼女(彼)の事が好き。鈴のことを気にしていたのは彼女(彼)がとても大事にしていたから。 彼女(彼) 小さい頃に父が亡くなり、6歳までは母に育てられたものの、母は男を作り祖父母に預けられた。鈴は母がくれた唯一のもの。母が鈴を付けてると迷子になっても見つけやすいねと言ったことを深く深く覚えている。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ (男性用) ちりんちりんと鈴がなる。 彼女はいつも髪を束ねるリボンに鈴を付けていた。 「ねぇ…キミはなんでいつもその鈴をつけてるの？」 彼女はただニコッと笑うだけだった。 いつもの優しい笑顔。でもどこか影のあるような…そんな気がした。 2人で星を見ていたはずが、その笑顔を見て、僕は彼女の横顔をずっと見つめていた。 僕らが部室に戻る途中、彼女が急に 「もっと仲良くなったらこの鈴のこと教えてあげる」 と言った。 さっきと同じ笑顔で。 僕は嬉しさと少しだけの苦さを感じた。 一年が経ち僕らは恋人になった。 「なぁまだ…ダメか？」 と尋ねると君はそんなに気になることかなぁって言って笑った。 彼女は答えた。 見つけてほしいからって。 そして抱きしめて欲しいからって 彼女はあの一年前の星の下で見せた表情で僕を見つめ笑った。 僕は彼女をきつく抱きしめた。 「彼女が通れば鈴がなる」 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ (女性用) ちりんちりんと鈴がなる。 君はいつも携帯に似合わない鈴のストラップを付けていた。 「ねぇ…なんでいつもその鈴をつけてるの？」 君は少し考え込んでから笑った。 いつもの優しい笑顔。でもどこか影のあるような…そんな気がした。 2人で星を見ていたはずが、その笑顔を見て、私は君の横顔をずっと見つめていた。 私達が部室に戻る途中、君が急に 「もっと仲良くなったらこの鈴のこと教えてあげる」 と言った。 さっきと同じ笑顔で。 私は嬉しさと少しだけの苦さを感じた。 一年が経ち、私達は恋人になった。 「ねぇ…まだ駄目なの？」 と尋ねると君はそんなに気になることか？と言って笑った。 彼は答えた。 見つけてほしいからって。 そして抱きしめて欲しいからって 君はあの一年前の星の下で見せた表情で情けないよなって笑った。 私は君をきつく抱きしめた。 「彼が通れば鈴がなる」 #声劇台本 #台本