CM風声劇「第参次面剥合戦」
店主:【】お連れ:【澪音】
CM風声劇「第参次面剥合戦」
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挑戦者(((ง'ω')و三 ง'ω')ڡ≡シュッシュ
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
お連れ:
「それは突如ふっと現れてはすっと消ゆる闇の夜市(よいち)
張り付いた笑みを浮かべる店主は
煙管(キセル)を吹かし不毛な争いを眺めている」
店主:
「戦いの火蓋は切って落とされた
洗練された老若男女よ、面(めん)を取れ」
お連れ:
「鬼面(きめん)狐面(こめん)尉面(じょうめん)に翁(おきな)、
般若(はんにゃ)に怪士(あやかし)獅子頭(ししがしら)」
(無音)
店主:
「そう、これは戦争なのだ」
お連れ:
「今日日(きょうび)大日本帝国では
化け学を覚えた人々が路頭に彷徨(さまよ)っている
狐や狸であるまいに、うすら笑いを浮かべる
薄い面(めん)の剥がし合いと化かし合い
現代の化け物とでも呼べば良いのでしょうか」
お連れ:「命名、」
(法螺貝の音)
店主、お連れ:
『大惨事(だいさんじ)
妖怪トリツクリノヌシ面剥ぎ大合戦』
(拍子木の音)
店主:
「一つ、
素顔を自分以外の誰かに見られてはならぬこと
二つ、
剥がされた敗者は無条件に勝者の願いを叶えること
三つ、
今日のことは他言無用、何事も立つ人跡を濁さずだ
そして助言を一つ、
後ろを振り返ること阿保(あほ)の如しだ」
(硝子の音)
お連れ:「後ろの正面だあれ」
(音入り)
店主:
「はてさて繰り広げるは見世物試合泥試合
真っ向勝負か知恵勝負
半(はん)か丁(ちょう)かの押すに押されぬ押し問答
判定員はここに鎮座(ちんざ)する
腐れ縁の私の連れ
折角だから為になる有難ーいお言葉の一つでも
頂こうじゃあないか」
(※インタビュー)
お連れ:
「みなみな、中味の美味しさに気づきませぬ故
狩る時は後ろから腹に一突き、
爪を立てるのが一番効率が良いのですよ」
店主:「とのことです」
(音が大きくなります)
店主:「さあ盛り上がってまいったようだ
人も頃合半分といったところだろうか
般若の形相(ぎょうそう)のそれは
もはや面か素顔か分かりませぬ」
お連れ:
「人とは蹴落とし合いの上に成り立つのです
あはれなり、嗚呼あはれなり」
店主:
「知者不言言者不知(ちしゃふげん げんしゃふち)
とはよく言った
今日も何処かで泣きっ面の首が飛ぶ
嗚呼、是非もなし!」
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あらすじ
何処に行くにも下準備が必要であろう
家の鍵から始まり財布に靴にスマートフォン
女子のパンパンに膨れ上がった化粧ポーチなんぞ
滑稽の極みだ。ここの店はそんな「戦い」に
必要不可欠な装備を売るプレミアムな市場である。
何の戦いかはご想像にお任せしたい
目の前の敵が尽きぬ限り、
お面のバーゲンセールに終わりはないのだ。
店主:29歳 男
草臥れた着物に夏羽織、何枚もの薄い面を被り
悠々と煙管を片手に面を売る夜市の店主。
一応人間である
お連れ:?歳 性別不明
見る者によってそれは姿を変えまた脅威となる。
その正体は人の心に棲む小鬼である
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