【一人声劇】 こい 【オリジナル台本】
書き側⇒瀧月狩織 / 読み側⇒
【一人声劇】 こい 【オリジナル台本】
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テーマ【実らない】【残されたもの】【想い】
最近、悲恋物にハマっている瀧月です。
そして、戦争とは残された側の気持ちとは。
それらを想像した結果が、この文となります。完全に女性視点です。
試し読みをしてくださった方曰く『これ、90秒はキツイよ。』とのこと。
サーセン。長くて、ごめんなさい。
けど、メモ帳に寝かしておくのも勿体ない気がするので公開しておきます。
90秒で読みきりたい方は工夫してみて下さい(←なげやり乙)
ちなみに、コラボ後のキャプションにこの本文は載せないでください!お願いします!
それでは、始まり。始まり。
✳✳✳✳✳ 本 文 ✳✳✳✳✳
小さな頃から、兄様とお慕いする方のお嫁さんになるのを望んでいた。
旦那様と呼べる日を夢見ては、期待で胸をふくらませて、日々を過ごしていた。
…けど、国の闘いに村の男達が駆り出される。兄様も行ってしまった。
気持ちは伝えていない。
大丈夫、ちゃんと叶えられる。大丈夫。
兄様は時折、お手紙をくださり、元気な様子を伝えてくれる。
それが嬉しくて、厳しい生活も耐えられた。
闘いが激化していると号外で見た。
兄様からの手紙が届かなくなった頃だった。
手紙が届かない。それは、問題がないということ。
大丈夫。…そう、信じていた。
日が経つにつれ、不穏な号外が触れ回る。
そして1通、また1通と。村へと届く戦死を綴(つづ)った電報。
村に残された女、子どもは涙を流す。
それでも、大丈夫と。
まだ、兄様の死を伝える知らせは来ていない。大丈夫。
私ができることは不安で潰れそうなとこを、気丈に振る舞うこと。
誰かが、呟く。
ーー知らせが届いた家は、まだ良いほうだ。
薄々、感じていた。
兄様は、もう亡くなっているのかもしれない。
骨や遺品が残らないほどに、国のお役目を果たしたのか。
ついに、闘いが終わり告げた。夏の日だった。
次の年に、私は名前と顔しか知らない殿方に嫁ぐことになった。
兄様への想いは村の川に雛人形と共に流した。
さようなら、私の夢。
さようなら、愛しい方。
また幾度と季節が巡り、風鈴が鳴る。
忘れた想い人が、生きて村に帰ってきたと知らされたのは終戦から3年経った頃だった。
既に私のお腹の中には "旦那様" との子供がいた。
嬉しさなのか、悲しさなのか。
……ただ雫が溢れて、止まらなかった。
ーーー初恋は実らない。
✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
はい、以上です。
ここまで、ありがとうございました。
完全に個人的主観で書いた為、いろいろオカシイ気もしなくもない(^q^)
ですが!また、どこかでオアイシマショウ!!
お疲れ様でしたー!
お借りした素敵なBGMは 青さん の 残光 です。
⇒https://nana-music.com/sounds/035b4607/
#瀧月狩織の台本 #女性向け #悲恋 #戦争
#一人声劇 #90秒では読み切れないシリーズ
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