朝焼けの空、僅かに漂う煙草の煙

いつき、独白｢コラボ者様｣ 志縁（女性）『コラボ者様』 BGM【シュリ様】

小鳥の鳴き声が遠くで聞こえて、もうそんな時間かと目を開く 近くで眠る兄弟達を起こさないように部屋を出て外へと続く扉を開けば いつものように門扉のそばであの人が立っている ​───────​───────​───────​── シュリ様の素敵な曲をお借りしました ​───────​───────​───────​── ｢おはよう志縁さん また煙草吸ってんのかよ｣ そう声をかけると志縁さんは眠たげな瞳をこちらに向けた 『おはよういつき こんないい朝なんだ1本くらい吸ったっていいだろう』 少し得意げな顔で志縁さんはそう答える この人はちょっと子供みたいなところがある ｢だって体に悪いじゃんか 吸っちゃいけないって先生も言ってた｣ 『……それを言われると弱いな』 そう言うといつも懐かしいようなちょっと悲しいような そんな複雑な顔をしながら煙草の火を消す ｢いつも吸ってるけどさ煙草ってそんなにうまいの？｣ 『なんだ興味あるのか 吸うなよ？ こういうのは大人の特権だ』 そう言って頭を撫でられる ほんのり暖かくて、そして優しい手 本当は大好きだけど恥ずかしいからちょっと睨んでしまう 『ごめんごめん さぁそろそろご飯が出来る時間だぞ いっぱい食べてこい』 みんなには内緒の俺と志縁さんの秘密の時間 明日もきっと変わらないんだろう ​───────​───────​───────​── あとがき 子供の頃に憧れた大人の人ってどこか何かを背負っていると感じられる人だったりします 少し儚げで不器用だけど優しいお姉さん 僅かに香る煙草の煙がかつて背負ったものを感じさせます 蛇足にはなりますが煙草台本【煙草の煙に思いを馳せて】の4作目、この作品と対の5作目で完結になります #シュリオリジナル #シュリBGM #台本 #声劇 #二人声劇 #モノローグ声劇