【和風台本】千の戯言【一人声劇】
演者 ★優【ゆう】 ★ピアノ【青】
【和風台本】千の戯言【一人声劇】
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セリフ
貴女(あなた)は、常世(とこよ)の国を信じておられますか?
この地より見ゆる海原(うなばら)を越え
昇る日すら、追い抜いてしまう程
遠い所に在る(ある)国にございます
私は……どうでしょう
しかし
人はいずれ、死を迎えるもの
往く(ゆく)先は明るい方がよろしいかと
まこと、くだらぬ人生でした
私は、復讐(ふくしゅう)という籠(かご)に身を投じた
愚かな(おろかな)鳥にございます
それでも、籠から出た暁(あかつき)には
自らの名を名乗り
信じる人を、友と呼びたい
斯様(かよう)に身の程知らずな願いも
神は叶えてくださるだろうか……
姫様
もし、彼の地(かのち)で出逢えたなら
今度こそは
私と一緒になりましょう
……さて
貴女を煩わす(わずらわす)戯言(たわごと)も、これにて最後
少しでも笑っていただけたなら
私の本懐(ほんかい)にございます
〜物語補足〜
彼は身分を偽り、幼い頃から城に仕えていた青年。目的は復讐だったものの、果たす事も叶わず捕えられてしまう。
この言葉は、可愛がっていた姫に宛てて書いた手紙の内容。
常世の国:海の果てにあるという、神々の住まう国。死後の世界としても語られる。
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