【声劇】幽霊舟 -後-【台本】
コラボして下さった方のお名前をどうぞ。
【声劇】幽霊舟 -後-【台本】
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素敵な台本お借りしました。
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【台本】
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暖房の効いた職員室に戻ると、相良さんがこちらを振り向いた。
「寒い中、ご苦労でーす。篠原さん」
社交辞令の言葉に、私は嫌悪感を隠すことなく眉をしかめた。しかし、相良さんはそれに気付いた様子はなく、鼻歌混じりにポットをいじっていた。
未だに震える指先を隠すように握りしめていると、目の前にココアが置かれる。
「えっと…ありがとうございます」
軽くお礼を口にすれば彼女は豪快に笑ってから「同級生なんだから、敬語じゃなくていいってば!」と私の肩を叩いた。
「…そう、だね。」
「まぁ。当時仲良くもなかったもんね、ウチら。クラスも離れてたし!」
「…三学年の時だけ、同じクラスだったよ。ほら、浮舟ちゃ…」
「あー!そうだったね、確か」
私に被せるように、相良さんは言葉を放つ。あからさまに避けてほしい話題なのは明白。
ココアを一気に煽った彼女は意を決したように「で、どうだった?」と聞いてきた。
「…どうって?」
「幽霊が出たかって、話」
ふと、窓の外の雪が止んでいるのに気付く。卓上カレンダーに視線をやりながら、私は相良さんに「…どうだろうね」と答えて、それ以上は喉に詰まる。
2017年と書かれた卓上カレンダーが私の指に弾かれて、ゆっくりと倒れた。
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