少女と死神【少女目線】
少女:
少女と死神【少女目線】
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「余命が…1週間もないの…?」
医者「はい、残念ですが…」
「そう…ですか。わかりました。」
私の余命はあと1週間もないとお医者様に宣告された。その日から私は変な人が見えるようになったの。真っ白な髪、真っ白な肌、真っ白な服を着たお兄さん。
最初は、みんなにも見えてるのかな、なんて思ったけど…そのお兄さんには影が無かったの。その時、頭に浮かんだのは、「死神」という言葉。お兄さんは死神だと思った。
私は死神さんに色々話し掛けたけど、反応はしてくれなかった。ちょっと寂しいな。
余命最期の日、私は死神さんに話し掛けた。
「なんだ、知ってたのか」
やっと反応してくれた。嬉しくて顔が緩んだ。
私は最期に一つだけ、聞きたいことがあった。
「最期に、ひとついいかしら?」
「なんだい?」
「あなたのお名前は?」
きっと、死神さんにも名前があるはず。
「名前なんて無いよ」
それならば…
「じゃあ、私がつけてあげる!そうねぇ…」
私は窓の近くの花瓶に生けてある花を見た。
真っ白で、可憐で、まるで…
…そうだ。
「コデマリ。あなたの名前はコデマリ。」
「コデマリ…か。」
「どう…かしら…?」
「…ありがとう。この名前、大切にするよ。」
「…ええ。大切にしてちょうだい。」(笑いながら)
9冊目です。
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