CM風声劇「ウミユリ」

台本:梔 白藤透:(ふみふみ) 青垣百合:(ふみふみ)

ごめんなさい。 『百合』←絶対ゆりって読みますよね。 さゆりって読みました。誰だよ。 重ね撮りして最後に男声を撮って 全て他のものを消してから気付いたんです…。 消せと言われれば消します…。 さゆりでよければ消しません…。 ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ 「両親を…、探しているんです」 ちりん、と風鈴の音が鳴る。 その日は、随分と蒸し暑い夏の日だった。 (01:16〜) 「あそこに、いるんです。お母さんが、お父さんが…、私を呼ぶ声が聞こえるんです、」 そう言った彼女の瞳はぞっとするほど透き通っていて、遠く白波を立てる水平線を見つめていた。 「お母さん、お父さん。今、いくからね」 (00:51～) とぷん、と暗い水に沈んだ身体は刺すように痛かった。 「…っさゆりさんが、いない…！」 走り出した身体にどくどくと、血の流れる音が聞こえる。 どうしてだろう、あんなにも会いたかった両親にもうすぐ会えるのに。涙が溢れそうになる。…本当は分かっているのだ。この声が両親のものでは無いと、誰か見知らぬ人の声なの…だと。 「…せん、せい」 (00:20〜位からがちょうどいいと思います) 「さゆりさん…っ」 「探し人は誰ですか？」 「ウミユリ」 8月13日、公開。