【声劇】雨舟と唐傘【台本】
【幼虫×☆☆】
【声劇】雨舟と唐傘【台本】
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【台本】
私と彼女の逢瀬は雨の日。
囁く小粒の雫が曇天から降りてくる合図を聞けば、私は決まって藍の唐傘を持って彼女の元を訪れる。
天草:「待たせてしまったね」
船越:「いいえ。私も来たばかりです」
彼女はそう言って顔の皺を深く刻んだ。
私は藍傘を閉じると彼女の紅の唐傘に身を置いて、冷えきった指先に手を寄せた。
永い間、水仕事を任されていた身の彼女は荒れた指先を恥じるように手先を袖口へと隠す。そして穏やかに小さく笑うと
船越:「坊ちゃん」
と、私の話を促した。
天草:「今日はね、貴女に伝えなくてはならない事があるのだよ」
船越:「なんなりと」
天草:「父上が武蔵へ栄転されるそうだ。
…母上も大層喜ばれておられる」
船越:「大変喜ばしい事でございます」
天草:「……私も連れて行くと申されている」
船越:「……大変喜ばしい事でございます」
彼女は微笑んだまま瞼をゆっくりと閉じた。
その頬に一筋の雨が伝う。それに私は気付かぬ振りで彼女の指先を強く握りしめた。
【補足】
天草(あまくさ)
①男性
②呉服屋の坊ちゃん
③堅実
船越(ふなこし)
①女性
②天草の呉服屋のお手伝いさん
③誠実
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