和風台本【大賭事】
読んでくださった方【】書いた人【シバ】
和風台本【大賭事】
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とっても久しぶりの台本です。
全て早口で読むと直ぐに終わってしまうので
所々、ゆっくりめにお願い致します。
うーん、難しかった(賭事に関して無知)
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
行くも行かぬも大地獄
ならば進んでみせませう(しょう)
盤上狂わす蝶は何処(いずこ)か。
(一瞬の無音)
「さぁさぁさぁ、丁か半かぁ!」
天下の大江戸にて賑わうは大賭博
其処に独りの浪人者(ろうにんもの)
願うは自らの欲望か はたまた只の快楽か
「丁だ」
物見客(ものみきゃく)の視線の先
果たして彼の賭けは当たる―――
沸き上がる歓声、飛ばされる野次
喧々囂々(けんけんごうごう)の嵐の中
男は当然の如く賭けを進めてゆく
丁か半か 半か丁か 彼の眼(まなこ)には見えるのであろう
――でなければ只の豪運か。
ただその斯様(かよう)な男に魅せられた者も恒河沙数(ごうがしゃすう)
今日も今日とて大江戸の賭博場は熱冷め切らぬ様子である
後悔に嘆く者 喜びに湧く者
居場所を失う者 富を与えられし者
没落する者 繁栄する者
この世は得手して勝つ者が幸福となり
其れに負けた者は失うが運命
そしてそれでも進むが人の性(さが)
盤上を狂い狂わされ 踊り踊らされ
一体 蝶は何処に留まるのやら
其れは浪人者にも解りはしない
―ただゆめゆめ忘れるでない
(1:25〜)
「こっから先は地獄行き」
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
#和風 #和風台本
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