声劇【臆病者】
読み手: 台本:唯 BGM:はる
声劇【臆病者】
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「ああ、これはきっと私宛に言ってるんだろうな」
何度こんな事を思って来たのだろう
SNSの呟きなんかで色々と察してしまう
というか相手はたぶん察して欲しいのだろう
ある日の拍子で偶然見ることが出来たその人のなんでもノートには
私に向けての不満や疑いがこれでもかというほど書いてあった
人伝いでも聞いたことがある
私の事についての悩み事を相談していることを
解決していたであろう案件もその人的には終わってなかったらしく、むしろ拗れていた
思ってることを直接言えない君は臆病者だ
ノートに殴り書きしたり他の人に相談したりはするけれど肝心の私には言えない
正直ほぼ全部知ってるし察しているので隠す必要がないむしろ言ってくれて構わない
何なら私から話を振ってあげようか
もっとも、それを知ってて知らないふりをしている私も本当は、臆病者だ
どれだけ嫌な思いをしても「離れたくない」と心のどこかで思うということは
たぶん私はその人のことが心底好きなのだと思う
そんなに私のことが嫌いならさっさと離れればいいのに
周りに迷惑掛けずに真っ直ぐ私に言えばいいのに
とか一瞬は思うのだが
「いなくならないで」と叫ぶ私がいる
この関係が崩れてしまうことがとっても怖いと思っている
全くもって、君と私は臆病者だ
たぶん中学生くらいにこんな感じのことを思ったことがあるんですかね
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