9日目・演目【醜いカエルと王女さま4】
粟田口一座 語り部/秋田藤四郎
9日目・演目【醜いカエルと王女さま4】
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王さまが「約束したことはやらなくてはいけないよ。入れてあげなさい。」と言ったので、王女さまがドアを開けると、蛙はぴょんと入ってきて、王女さまの椅子まであとをついてきました。そうして椅子のところで蛙は座り、「そばまで僕を持ち上げてください。」と叫びました。王女さまの手によって蛙は食卓の上に上ると、「さあ、一緒に食べれるように金の皿をもっと僕の近くに押してください。」と言いました。王女さまは嫌々その通りにしました。
しまいに蛙は、「食事をして満足したよ。もう疲れた。僕を君の部屋へ運んでくれ。そしてベッドを準備してくれ。僕たちは一緒に眠るんだ。」と言いました。王女さまはとうとう泣き出しましたが、王さまが「お前が困っているとき助けてくれた人を後になって嫌がるんじゃないよ。」と怒ったので、王女さまは2本の指で蛙をつかみ二階に運ぶと、すみに置きました。
しかし王女さまがベッドに入ると、蛙は近くに這ってきて、「僕も君のように眠りたい。僕を持ち上げてくれ。でないと君のお父さんにいいつけるよ。」と言いました。これを聞くと王女さまはとても怒り、蛙を持ち上げると、ありったけの力で壁に投げつけました。しかし下に落ちたとき、蛙ではなく優しく美しい眼をした王子さまになっていました。それから王子さまは悪い魔法使いに魔法をかけられていたこと、その王女さま以外はだれも自分を泉から救えないこと、明日は自分の王国に行くこと、などを王女さまに話しました。
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