慟哭する悪魔
声劇
慟哭する悪魔
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傷ついた悪魔を助けたのは、人間の娘でした。
娘は、戦争で両親を失っていました。それ故に、傷ついた悪魔を放っておけなかったのです。
娘に助けられた悪魔は、祝福という名の呪いを娘に授けます。
それは、どんな傷もたちどころに治るものでした。
悪魔は、癒えた体で自分の住む世界へと帰りました。
悪魔が去ったあと、しばらくして娘は自分の体の異常に気づきます。
その日から、娘の日常は完全に崩れ去ってしまったのでした。
ーーーそして、時は過ぎ。
悪魔は一人の娘と合間見えるのです。
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台詞
願いとは、人の思いの結晶。
幾百の感情が折り重なり、形を成した。
そんな奇跡のような感情の発露。
人は、誰しも願いを見つけることができる。
どんな些細な想いも、
時が経てば、その思いは願いへと変貌するから。
さぁ、教えておくれ。
君の願いを。
僕が君の願いを叶えてあげよう。
儚くも気高いその願いを。
僕は悪魔だ。
対価はもちろん頂くよ。
命だ。
君の命を頂く。
それでも、君は願うんだろう?
そうか……きみがあの時の……
僕はバカだ…
ごめんね……ごめんね……
僕はそんなつもりじゃ……
許してくれないよね……
それでも、君の最期の願いは叶えてみせるよ……
……ごめん。
君の願いを叶えるのは……なかなか……(泣いてください)
難しいみたいだ。(泣き笑いをしながら)
さぁ、ゆっくり瞳を閉じて?
そう、上手だ。
それじゃあ……
さようなら……僕の愛し子……
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肉体は傷つかなくとも、心は少しずつ蝕まれていくのです。悪魔は、自ら与えた祝福という呪いが娘にどのような人生を歩ませたか知らないのです。そして、そんな人生を歩んだ娘の最期の願いは、死というものでした。
娘のためを思い与えた祝福は、彼女にとって呪いに他ならなかったのです。
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