【朗読】最後だとわかっていたなら(2/2)【詩】
--
【朗読】最後だとわかっていたなら(2/2)【詩】
- 13
- 3
- 0
あなたが眠りにつくのを見るのが最後だとわかっていたら
わたしはもっとちゃんとカバーをかけて
神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう
あなたがドアを出ていくのを見るのが最後だとわかっていたら
わたしはあなたを抱きしめてキスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて抱きしめただろう
あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが最後だとわかっていたら
わたしはその一部始終をビデオにとって毎日繰り返し見ただろう
あなたは言わなくても分かってくれていたかもしれないけれど最後だとわかっていたら
一言だけでもいい...あなたを愛してるとわたしは伝えただろう
たしかにいつも明日はやってくる
でももしそれがわたしの勘違いで今日ですべてが終わるのだとしたら
わたしは今日どんなにあなたを愛しているか伝えたい
そしてわたしたちは忘れないようにしたい
若い人にも年老いた人にも明日は誰にも約束されていないのだということを
愛する人を抱きしめられるのは今日が最後になるかもしれないことを
明日が来るのを待っているなら今日でもいいはず
もし明日が来ないとしたらあなたは今日を後悔するだろうから
微笑みや抱擁やキスをするための
ほんのちょっとの時間をどうして惜しんだのかと
忙しさを理由にその人の最後の願いとなってしまったことを
どうしてしてあげられなかったのかと
だから今日あなたの大切な人をしっかりと抱きしめよう
そしてその人を愛していること
いつでもいつまでも大切な存在だということをそっと伝えよう
ごめんねや許してねやありがとうや気にしないでを
伝える時を持とう
そうすればもし明日が来ないとしても
あなたは今日を後悔しないだろうから
明日が来るのは当たり前ではない
3月11日をすべての人が大切な人を想う日に
岩手日報
Comment
No Comments Yet.