一人声劇　親友のカフカへ。

書き手　けんけん　読み手　お名前

高校演劇初の脚本が、カフカで良かった。 ☆☆☆☆☆☆セリフ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ （舞台はオーストリア。カフカの親友のマックスが、カフカの遺言に従い、原稿を燃やそうとしている場面。暖炉に薪をくべている） 原稿を燃やして欲しい、か。 フランツ。お前は駄目な奴だったよ。父親に見放され、愛する人にさえ自分の小説を分かってもらえなかった。お前のファンは、世界で俺とお前の妹くらいだったんじゃないか。 そりゃ、お前の小説は、確かに面白かったけど、意味は分からなかったもんな。 朝起きたら巨大な虫になってたり、何もしてない奴がいきなり逮捕されたり、測量の依頼を受けた城にたどり着けなかったり………。 一体どこからそんなこと思いつくんだ？って、何回聞いたっけな。 あーあ、結局お前の才能は、世間に評価されずに終わったか。 （間を開ける） おい、フランツ！ お前には才能があるんだ！こんな作品、誰も書けない！俺はお前の小説をもっと読みたいんだ！なのに、、なんでだよ………。 （微笑して）なんか、お前の作品の主人公が、答えてくれそうだよな、なんて。 ………すまん。俺はお前の遺言には従えなさそうだ。許してくれ。俺はお前の才能を世間に認めさせるからな。 フランツ。お前の才能は、俺が必ず守るからな。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 背景 カフカは肺結核に冒され、死んでしまうのだが、親友であるマックスに原稿を燃やして欲しいと遺言を残す。マックスはその遺言に従わず、なんとかカフカの作品を出版した。だからこそ現代まで、彼の作品は残り続けている。 カフカ 本名、フランツ・カフカ。変身、城、審判など人間の不条理を描いた作品が多い。 #一人声劇 #声劇台本 #カフカ #遺言 #小説家の一生 #けんけんの台本