宵闇花火
葉月ゆら
宵闇花火
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「君ハ何処ヘ行クノ?」 狐の面が笑う
何処へでも連れて行ってほしい
痛みのない場所
木々達はさらりと揺れて 唇に露を落とす
蛍火が森を照らした 手を取って誘う狐
「君ト共ニ行クヨ」 銀色の髪 揺れる
誓いの簪付けたら 嘆きのない場所へ
赤い鳥居をくぐり抜け
石畳の其の先で 歌う夜の子達
鬼や鬼 手の鳴るほうへ
闇に浮かぶ彼岸花 紅い色 契彩
鮮やかに川を燃やし 帰り道も分からない
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