サラバ

THE BOOM

アルバム『思春期』より。 この楽曲は初期のTHE BOOMファンからすると、かなり感慨深いかと思います。何故なら、当時の彼らはこの曲に想いを託して、事実上の「解散」を宣言したからです。 この『思春期』というアルバムそのものがまさに反抗期というか、それまでのヤンチャで純粋な少年像であったTHE BOOMを根底から覆す表現になっています。 その構成において、当時の彼らの葛藤が如実に表現されています。 このアルバムの前の『JAPANESKA』から、彼らにおいて「ファンはただ騒いでいるだけで、自分たちの音楽を聴いてくれていない」「歌うのが苦しい」と嘆くようになったとかつて読んだファンクラブ会報誌の特別号にて生々しく記載されていたのを覚えています。 そして、このアルバムを発表したところ、ファンから猛抗議を受けます。「裏切られた」「私たちは“無菌のモルモット”じゃない！」「お前たちは優等生なんかじゃない！」などの辛辣な言葉が綴られていました。そして、彼らもそういう声に対して、ライブ中に「新しいのを作っても、前のものばかり～♪」と歌っていたとか。（ちなみに、ラストライブのMCにてこの当時の自身の態度に対して宮沢氏が反省の弁を述べております。） 「流行に流されない」表現を求めて『THE BOOM』と名付けたのに、自分達の音楽が大量消費の波に呑まれていく。放牧した山羊のように外殻的なものだけを食べつくして本質を味わうことなく「もう古い」として腐らせる、いわゆるミーハーというものに対しての拒否反応を当時の彼らに強く感じます。 そして、「もうこのバンドでやれることはない」としてこのアルバムを製作し、彼らは「散開」します。しかし、メンバー全員が「もう戻らないだろう」と思っていたところ『島唄』が沖縄でCM起用されて全国的なヒットに繋がり、また彼らは集う事が出来ました。そして、「自分たちの音楽は間違っていなかった」という自信を持って、彼らの表現は海を渡ります。 宮沢氏の国際人としての意識はいまだからこそ語られてますが（はるわさんありがとう）、本当はデビュー前から世界で活躍できる表現人になりたいと思っていたんだなぁって私は感じてます。それが、このアルバムで顕著に出ているかと。 このアルバム、 当時の最終作としてモノトーンのピンナップがまさに遺影のようにも感じます。 そして、黒、白、黄色の国旗のようなもの。国際意識の高い宮沢氏の、まさに世界的展開の意思表明だと感じます。その意識の通り『島唄』が世界的な音楽になり、いまなお歌い継がれている。『風になりたい』以降からファンになった私が初めて聴いたアルバムがこの『思春期』でして、 この導きの凄さに とんでもない“縁”と“機”の覇者であると驚愕しのめり込んだのでした。 さてさて、この楽曲についてですが、アルバムについて長く書き過ぎたから割愛。ていうか、まんまだし。でも、「さようなら」ではない。「縁があれば、また」という感覚。私も同じような気持ちで歌いました。 素晴らしい伴奏にて歌わせて頂きましたでくさん、ぴょんさん、ありがとうございます。でくさんがこの伴奏を弾かれた時から、この“機”で歌うと決めてました。あと、最後のアレンジは、タイミング・インスピレーション共にぴょんさんのドラムあればこそでした。リズムキープでもかなり助けられました。お二人に心から感謝。 録音について、伴奏の音量をMAXにした為にサー音が強くなってますが、霧雨だと思って聴いていただければw。原曲に近いコーラス入れをしてます。ビブラートの数合わせを意識した。歌い方としては、アルバム『百景』以降に活動休止をしていなかったらこう歌っていたんじゃないかのｉｆを私なりに表現しました。 今日まで聴いて頂いたフレンドさん、また通りすがりの方々、コラボさせて頂いた皆様、本当にありがとうございました。nanaを辞めるつもりはないにせよ、いつ戻れるか見通しがつきません。場合によってはこれが最後かもしれませんので、改めまして感謝の意を述べさせて頂きます。 なんとか戻れるようにがんばるぞ～。詳細はプロフにて～。 歌入れとキャプは事前に済ましてまして、更新は空港の搭乗口にて。船じゃなくて飛行機ですけどねw。見下ろす海にしがらみ全て捨てます。 ひとまず、サラバ！！☆☆☆ ✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤