【朗読台本】峡谷の白い幻獣
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【朗読台本】峡谷の白い幻獣
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#魔女集会で会いましょう
峡谷の魔女さんはグルメさんだよ₍ᐢ·͈௰·͈ ᐢ₎
アレンジ・アドリブ自由です。
読みやすいように読んでください。
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峡谷の魔女の趣味は燻製である。今日も未知の味を求めて、様々な食材をとりどりの木材でいぶしている。
その日の昼下がりときたら、快晴で風もなく素晴らしいものだった。新作が余りに美味しくて増産を決めたし、おまけに『あのこ』を拾った。
川を流れて来た『あのこ』は全体的に焼け焦げており、片方の羽根は根元からひしゃげ、おまけに腹は一文字に切り裂かれていた。
小さく、哀れな姿に魔女はありったけのまじないを施した。
それが功を奏して目覚ましい成長を遂げた。
『あのこ』はフクロウの頭や羽根をした真っ白なグリフォンだった。
拾われてから3年で牛ほどに育った体は、今ではさらに5倍はあるだろう。
魔女のそりを引いて空を駆ける時などは、翼をうんと広げるからより大きく見えた。
それでも峡谷に帰ってしまえば、子犬ほどの大きさに変化(へんげ)するのだった。
なんと、成長してから魔女に構って貰えなくなったと悟って自分で魔法を編み出したという。なんとあざとい。
今では使い魔の一頭として魔女に仕えているが、どうやらまた新しい魔法を編んでいるようだ。
人化(じんか)の魔法である。
料理好きな魔女の為に、もっと手先が器用になりたいらしい。
「いやよせっかくモフモフなのに!」
…だそうですよ。
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#れーのホン
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