【声劇台本】小春日和
○【絆】× ●【】
【声劇台本】小春日和
- 22
- 1
- 0
#声劇台本 #言端 #言端の声劇台本
(01.30)
○「もう、ピアノ弾いてくれないの?」
●「……うん」
○「どうして?私はいつもここに居て、その旋律(せんりつ)に耳を澄ませているのに」
●「……そうかもね」
○「……信じてないね。本当だよ」
●「嘘だ。君はもう、この世界のどこにもいない。今はアルバムの中で、君の残り火が燻(くすぶ)っているだけになった」
○「私のこと思い出すの、そんなに嫌?」
●「嫌だよ」
○「どうして」
●「苦しいから。……もう忘れたいんだ。幻の君を相手にするだけでも、こんなに苦しんでる。どうか…、どうか放っといてくれ……っ」
(00.39)
○「私のこと、はじめから居なかったことにしたい?」
●「……っ」
○「私たち、出逢わないほうが、幸せだったかな」
●「……っ、……!」(嗚咽、泣き声)
(00.20)
○真っ白な部屋の中で…
●鍵盤(けんばん)が黒く焦げていく。
○穏やかな小春日和(こはるびより)の、昼下がりに…
●僕だけが、太陽に焼かれていた。
---------------------
(設定📒)
会話しているのは、彼が作り出した幻です。
彼女を喪った苦痛のあまり、以前はよく弾いていたピアノにも、触れることさえできなくなった彼。とりわけそれが、彼女と出逢うきっかけを作ったピアノだったからかもしれません。
そんな彼に、幻は問います。「そんなに苦しい思いをするなら、私たちは出逢わないほうが幸せだったのか」。そんなはずはない。でもこの苦しみは、あまりにも耐え難い…。小春日和、秋の日差しは、優しいようでいて、突き刺すように熱いのです。
前作に続けて、喪失のお話になりました。優しくて切なくて、胸がぎゅっとなるような演奏をお借りしています。ますこさん、素晴らしい演奏を本当にありがとうございました💐
#声劇台本 #言端
#言端の声劇台本
※コメントの返信はコラボ先で失礼します!🙋♀️
Comment
No Comments Yet.