【人を呪わば穴二つ】一人声劇台本
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【人を呪わば穴二つ】一人声劇台本
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【人を呪わば穴二つ】一人声劇台本
〈セリフ〉
時代は江戸、とある旅籠屋(はたごや)で女が働いていた
彼女は身なりも良くとても気立(きだ)てのいいことで評判(ひょうばん)だった
そんな彼女を嫁に欲しいと申し込んだのは、豪商(ごうしょう)の息子
彼女の親はそれは大層喜んだが娘は全く嬉しくはないようだ
なぜなら彼女には好きな男がいたからだ
しかし叶わない願いであることは分かっていたがそれでも諦めきれない
後日(ごじつ)縁談(えんだん)が開かれ二人は顔を合わせる
ただ男が一方的に喋るだけで、彼女はとても退屈で仕方がなかったがじっと我慢した
数日後、親に自分には思いを寄せる相手がいるから結婚したくないと言う
するとそれを聞いた親は大激怒
彼の耳に入ると縁談は破談(はだん)に、そして好きだった男はひどい仕打ちを受け、川に飛び込みそのまま帰らぬ人に
彼女はみるみるうちにやつれていった
私をここまで追い詰めたあの男が許せない
この恨(うら)み果たさねば死んでも死にきれない
そして呪殺(じゅさつ)を謀(はか)る
呪文を唱えると爪先(そうせん)が血のように紅く染まっていく
それを1枚1枚手で丁寧(ていねい)に剥(は)がしてく
しかし娘は剥ぎ取れなかった爪の欠片(かけら)をうっかり小刀(しょうとう)で削(けず)り取ってしまう
翌朝(よくあさ)、手足の爪を剥ぎ取られた娘の死体が横たわっていた
さてはて呪いは上手くいったのか
それとも水泡(すいほう)に帰(き)しただけなのか
人を呪わば穴二つ
《おしまい》
[あとがき]
今回の台本は江戸時代とホラーを掛け合わせたものになっています。
思いついたきっかけは言わなくてもわかりそうな気がしますが、爪切りで爪を切っていたのが始まりです。単純でしょう?
ここから呪いとかの補填説明
爪先(そうせん)という単語が出てきますが、爪が伸びると白い部分ができますよね?あの部分の名称が爪先というらしいです。
調べながらそんな名前やったんかお前!って心の中で突っ込んでいました。
そしてある呪文を唱えると爪先が紅く染まり、それを道具を使わずに手で剥ぎとります。
実は失敗する体で考えていたので細かくは考えていないのですが、紙に呪いたい相手の名前を書き、さらに人を描いて剥ぎ取った爪を刺すと相手に呪いがかかる感じと思っていただけるといいかなと思います。
使用の際の拍手・コメントは不要。
コラボした後のサウンドに台本をコピペするのは禁止。
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