君に紡ぎたい 楽曲「夕陽」【声劇】【朗読】
詠み手:あんくぅ 楽曲:四ノ宮りゐ
君に紡ぎたい 楽曲「夕陽」【声劇】【朗読】
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【設定】
ここは四季のトンネル。その先の世界はくるくると四季の廻る、誰にも介入されない安楽の園。これを抜けると元居た世界にはもう戻れなくなり、死ぬ事も出来なくなる。
「僕」は不治の呪いにより目を失くした「君」を抱き上げてトンネルをくぐり抜ける。世界をこの目で見るのだという夢を永遠に絶たれた「君」。そんな「君」に「僕」がしてあげられる事……それは
二人きりで閉じ篭ろう。君に目が無いと言うのなら、僕が君の目となろう。
────僕は君へ、永遠に詞を紡ごう
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【台本】
「…見事な……雪景色だ」
山々を貫くトンネルを抜けると、モノクロ映画に潜り込んだような気分になった。
葉を落とし色彩を失くし、まるで冬眠している様な木々が、厚い雪化粧を施している。
銀景色と言うには黒が際立っているから、そう呼ぶことは出来ない。
だが、そう呼ぶ必要はない。
何故なら、僕はこの景色を一言で言い表すつもりは、更々無かったから。
「ほら、想像してごらん。」
黒く尖った山肌に振い落された雪が山脈の隆々とした陰影を際立たせる。
その窪みには綿菓子より幾らか上品な雲が溜まっていた。
細やかな白に色付いた冬の木々が パウダーシュガーにあしらわれた様で、食べてしまいたくなる。
………君に目は無い。
だけど、僕の声は聞こえるから
だから僕は、こうやって
詞(ことば)を、編んで、紡ぐのだ。
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【構成】
「僕」は必死こいてます。でも、深い悲しみをひた隠している…そんなイメージです。
この前高速道路のトンネルから出た時の雪景色を見て書き綴りました…!! 初台本です、是非よろしくお願いします!
#四ノ宮りゐオリジナル
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