声劇台本【景色】

読み手:碧猫

#声劇台本 #声劇 #朗読 素敵な台本です。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜 忘れていたあの「景色」をふと思い出した。 とても輝いていて、眩しくて。 手を伸ばせなかったあの「景色」。 触ればそれが消えてしまう気がして。 まるで、幻想だったかのようになくなってしまう気がして。 怖くて手が出せなかった。 遠くで見守るだけで、幸せな気持ちになっていたんだ。 そんな「景色」が、いつのまにか手を伸ばせる、いつでも触れられるところに来ていた。 触っていいのだろうか、そう思った瞬間、私の中から何かが溢れ出る。 それは愛であったり、願いであったり。 一つ一つが輝く、夢であった。 ああ、そうか。 こんなにも簡単なことだったんだ。 見ているだけであった「景色」はその一瞬で姿を変え、「現実」となった。 ずって見て来た、切望して来た輝きがそこにはあふれていて。 ふと、涙がこぼれた。 ありがとう、きっと私はこのことを忘れない。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜