【声劇台本】ときがら茶
「コラボ者さま」+台本 ひすい
【声劇台本】ときがら茶
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小説賞の没にした文章を台本にリサイクルし…たい。できれば。
時代は江戸初期。
主人公は恋事に疎い小間物屋。
男女両方の口語も置いておきます。
BGM終了時間 1:16
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<男性>
生まれた頃から日ノ本(ひのほん)の中心は、お江戸で、喧(やかま)しくも活気に満ちたこの町で俺は粋に生きてきた。
生家(せいか)は小さな小間物屋(こまものや)で母と2人、ご武家の奥方や下女中(しもじょちゅう)の贔屓(びいき)になれた故(ゆえ)に贅沢はできずともなんとかやれている。
俺は小さな箪笥(たんす)を背負い、卸(おろ)し先の武家屋敷(ぶけやしき)をまわる。
売り込むために髪結いの真似事までするようになったからか評判は上々だ。
今日も上様(かみさま)に紹介されたお屋敷を訪ねる。
気軽な女達とは違うお客相手に、少しだけ汗がにじむ。
母に新しい小袖(こそで)を仕立ててやりたい俺は気張らねばならぬのだ。
仰々(ぎょうぎょう)しく立つ門を睨みつけ敷居(しきい)を跨(また)いだ。
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<女性>
生まれた頃から日ノ本の中心は、此処(ここ)お江戸で、喧(やかま)しくも活気に満ちたこの町が私は好きだった。
生家(せいか)は小さな小間物屋(こまものや)で父と2人、ご武家のお姫様方(ひめさまがた)や厨(ちゅう)を預かる女達に贔屓(びいき)にして頂いてるおかげで贅沢はできずともなんとかやっている。
女だてらに背中に箪笥を背負い、卸(おろ)し先の武家屋敷をまわる。
城の奥に卸してる小間物屋のような上等な銀細工なんてものはないけれど、使い勝手が良くて品の良いものを仕入れていれば評判は上々だ。
紹介されたお屋敷は京の邸(てい)の造り。お相手はやんごとなき姫様だ。
ここで売り込むことが出来れば売上は伸びるのは明白。
父に新しい羽織(はおり)を買ってやるためにも私は気張(きば)らねばならぬのだ。
仰々(ぎょうぎょう)しく立つ門を睨みつけ私は敷居を跨いだ。
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お借りしたBGM「green」
和風台本まとめ
https://nana-music.com/playlists/2141579/
#声劇台本 #和風 #一人声劇台本
Comment
2commnets
- 🌵Comic🐎🏜️🌵お借りしました😊
- 八百屋お借りしました( ノ;_ _)ノ