私 ♣︎
緋芭 ♠︎
♣︎ その日は随分と平凡で
当たり障りない1日だった
暇つぶしに聞いてたラジオから
あの話が流れ出すまでは
♠︎ 「非常に残念なことですが
本日地球は終わります」と
どこかの国の大統領が
泣きながら話をするまでは
♣︎ 窓の外は大きな鳥たちが
空を負い尽くしてく渋滞中
三日月を飲み込んで
どこかへと向かってる
♠︎ やりかけてたゲームはノーセーブ
机にほぼ手付かず参考書
震える体をいなす様に
すぐにヘッドフォンをした
♣︎ 不明なアーティスト項目の
♠︎ タイトル不明のナンバーが
♣︎ 途端に耳元流れ出した
♣︎♠︎ 「生き残りたいでしょう?」
♣︎♠︎ 蠢き出す世界会場を
波打つように揺れる摩天楼
紛れもないこの声はどう聞いても
聞き飽きた自分の声だ
♣︎♠︎「あの丘を超えたら20秒で
その意味を嫌でも知る事になるよ。
疑わないで、耳を済ませたら20秒先へ。」
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