【台本】墓
私:(性別はご自由に)
【台本】墓
- 12
- 0
- 0
台本的なテキスト的なやつです
初投稿なので勝手がよく分かってないですが、気になってくださった方がいらっしゃればお気軽に使ってください〜╰(*´︶`*)╯♡
この話は"私"の一人称視点でのみ動いています。
なんかこう日常に潜むホラーみたいなことが書きたかったんです…
タイトルは一応伏線回収です
⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰
【朗読劇用台本】墓
軍手をはめた手に汗が落ちる。今年の夏は作物がよく育っている。
トマトをもいでいると、おーいと声がする。
トマト畑の向こうにあるスイカ畑、そこに彼が立っていた。
彼は私の幼馴染だ。中学卒業の折に上京して以来、彼は毎年この時期に帰ってくる。
ふと見ると、彼は赤ん坊ほどもある大きなスイカを抱えていた。
休憩にしよう、そう言って彼の手を引き、縁側へと向かった。
甘い果汁が口内をほとばしる。隣を見ると、彼はもう食べ終わっていた。
焦ってかぶりつくと、絵面がおかしかったのか、彼は笑っていた。
縁側に風鈴の音が響く。
今年は例年よりも不作である。スイカ畑を見ると、彼が大きなスイカを抱えて立っていた。
彼を縁側に招き、扇型に捌いたスイカにかぶりつく。口内を満たす甘さは、例年通りの美味しさだ。
隣を見ると、彼はもう食べ終わっていた。
その静かな横顔を見て、ずっと前から思っていたことを口にする。
なんで夏にしか帰ってこないの。もっと会いたい。
しかし彼は困った顔で笑うだけである。元来無口な人なのだ。
しかし、毎年この時期にしか会えないなんて、乙姫と彦星のようだ。
彼は夏になるとやってくる。
スイカを抱えてやってくる。
彼は夏になるとやってくる。
畑の下からやってくる。
#声劇 #コラボ #台本 #演技
Comment
No Comments Yet.