【二人声劇台本】エイル
★烏鷹【】×☆羽鳥【】
【二人声劇台本】エイル
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そうしていつしか 人々は彼女のことをこう呼ぶようになったという。
─────『エイル』と。
自分で時間をはかるために羽鳥を演じていますので、タイミングなどの参考にどうぞ!
https://nana-music.com/sounds/035849d8/
【台本】───────
読み
★烏鷹(ウタカ)
☆羽鳥(ハトリ)
(冒頭~)
☆生き返らせてください、と誰かが言った。
☆飛べない天使は地上の人間を助けるために存在していた。
(1.16~)
★「やめとけよ。それは神にも許されないことだ」
☆「うん。そうだね…そうだよね」
(1.04~)
★しかし人の願いというものは、いつだって強欲だ。
★「地上の奴らはどうしようもないな。倫理に反することを平気で口にする」
(0.52~)
☆「そんな風に言わないで。きっと私も…烏鷹が死んじゃったらそう思っちゃうよ」
★「俺たち天使に死ぬも何もないだろ」
☆「そうだけど…」
★人々の願いはやまない。次から次へと押し寄せる波のように。
☆「烏鷹みたいに…どうして飛べないのかな」
(0.26~)
☆「こわいよ…聞きたくないよぉ…」
★「大丈夫だ。羽鳥は俺達にないものをちゃんと持ってる。誰かを癒してあげられる心を」
★「お前の翼は誰かを包みこんでやるためのものだ」
☆「……私にしか、できないこと」
★「俺も、お前に救われたんだよ。羽鳥」
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【あらすじ】
天使に生まれ落ちながら、飛べない翼をもつ少女のおはなし。
死した魂を天国へ運ぶという本来の役割を担えない羽鳥はせめて地上の人達の役に立てないかと試みるも、人々の願いは欲深く、叶えられないものばかりであった。
“大切な人を生き返らせてほしい”
そう願う人々の涙に、たったひとつの願いも叶えてあげられない自分に、彼女はひどく心を痛めていた。
いつも一緒にいる烏鷹のように この翼が空を飛べたらこんな思いをすることもなかったんじゃないか。
思い詰めていた羽鳥だが、烏鷹にかけられた言葉によって自分にできることを探し始めるのだった。
★烏鷹(ウタカ)
飛べずに悩んでいる羽鳥を放っておけない天使の少年。与えられた仕事をこなしていくだけの天使の生活に嫌気が差していたが、誰かのために泣いて 誰かのために笑える羽鳥の優しさに触れるたび、心を救われていた。
☆羽鳥(ハトリ)
飛べない翼をもつ天使の少女。気弱な性格で、それでも地上の人々のために何かしたいと頑張っているものの、それが叶えてあげられないものばかりで どんどん人の願いを聞くのを恐れるようになる。
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ちなみにタイトルの“エイル”は古ノルド語で「援助」や「慈悲」の女神のことだそうです。古エッダでは「最良の医者」だとか。
精神的感情的な治療も行っていたらしいので、叶えられない願いの代わりにその心に寄り添い、癒しをもたらしてくれる羽鳥のことをいつしか人々は“エイル”と呼ぶようになった、という設定です。
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Comment
2commnets
- 向坂 美咲
- エマタイトルから惹かれ覗かせて頂くととてもとても綺麗なお話で、読んでいて、聞いていて、心に響きました…><!! 雨が止んだあとの水たまりに映る空のような儚げで透き通った世界観、本当に好みです…! あまり演じるのが得意ではないので、お借り出来るかどうかはまだ分かりませんが高まった今のまま感想だけお伝えさせてください…!素敵な台本をありがとうございます🙌