朗読台本「忘れるなんて」
台本:神主 読み:きる姉
朗読台本「忘れるなんて」
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台本↓
私にはわからない。
君との距離や、君が笑いかけてくれたときに、どう応えればいいのか、これっぽっちも、わからない。わからないままなんだ。
不用意に触れてしまえば、君との関係が崩れ壊れてしまいそうで、怖かった。
無神経に頷いてしまえば、君が傷ついてしまうんじゃないかと不安だった。
自分だけ、君がそばに居ることを嬉しく思っていることが切なくて、空しくて、苦しかった。
君と別れたことに、ほっとしている自分がいたんだ。
でも、君は私にまた笑いかけてくれた。あの頃と変わらない、無邪気な笑顔を、私に向けてしてくれた。
その笑顔を見ると、私の心はぽかぽか温かくなっていった。
嬉しかった。君がいつでも笑いかけてくれることが、嬉しくて仕方ないんだ。
わからなくて、いいのかな。
もう会えないとわかっているのに、君の横にいるのが私でありたいなんて思ってしまう。
こんなこと思ったって、もう戻れないのに。
死にたく、なかったなあ。
君とはもう会えない。結局君のことはわからなかった。
ここで好きだなんて口にしようものなら、きっと私は君のことを忘れられなくなる。
だから、これでよかったんだ――
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