【声劇台本】言えない、消失
読み手:○○ 書き手:春、
【声劇台本】言えない、消失
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失恋系の台本です。ちょいと長いかな( ̄▽ ̄;)
舞台の上にも立てない人は自分の激情をただ押し殺すしかできないのだ。
ああ、私は彼が好きなのか…。
そう気づいたときにはもう終わっていた。
いつも通りの教室で私はいつもと同じ、彼の話をきく。彼は違うクラスの女子と付き合っている。
「そっか、それは嬉しいよね」
いつも彼は自分がどんなに彼女のことを愛しているか、彼女がどんなに自分を愛しているか、語る。
「もう、そりゃ怒られるよ!」
彼は彼女を愛している。彼女のためなら死すら選ぶほど。
彼女は彼を愛している。彼がいないとだめだと泣いてしまうほど。
言い合いもすれば、喧嘩もする。
別れる話にまでなっても彼らはまた付き合う。
どこからみてもお似合いのカップル。妬ましいほどに。
「ちゃんと今日謝りなよ?」
いつものことなのに、あぁ、なんでこんなに辛いのだろう。叫びだしたい。腸(はらわた)が煮えくり返る。体が暑い。泣き出してしまいたい。
「もう、ほんとに好きなんだね。」
私のほうが、私のほうが!スタイルだっていい!モテてだっているし、勉強だってできる!私だって彼のことが好きだって気持ちもある!それに彼は私のことを良い奴だって思ってる!
好意だって持たれている!
「……うん、いってきな。」
…だけど、私は彼をあんなに酷く嬉しそうな笑顔にすることはできない。
私は彼に愛されていない。
それだけで土俵にすら立てないのだ。
私は彼が好きだ。
そんな気持ちは胸の奥の奥にしまって。消して…。
#声劇台本 #一人声劇 #恋愛声劇 #コラボ募集
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