破滅へのプレリュード【声劇台本】
♡(きゅー)×♢(きゅー)×♧(きゅー)×♤(きゅー)
破滅へのプレリュード【声劇台本】
- 9
- 1
- 0
#声劇 #台本 #灰宮しゃるの台本
ーーーーーーーーーーーー
あなたがこの物語を忘れた時、私たちは死を迎える。
♡アリス(少女)
♢赤ずきん(ロリ)
♧ジャック(男)
♤カイ(少年)
***
(ゆっくりと)
♡数多(あまた)の物語が重なりあう世界。それはまさしく、死と破滅のプレリュード____。
[本をめくる音]
♡「あなたは…一体…?」
♧「この世界で生き残れるのは ひとりだけ。さあ剣を取れ!本当の主役は、誰だ?」
♡「ねえ誰か!あの可哀想な猫の話を、誰か覚えている人はいないの?!」
♢「だれが こまどり ころしたの?わたしと すずめが いいました」
♡「殺さなければ…殺される…?そんなの、絶対狂ってる……!」
♤「逃げて、アリス。君が真の主役だ。殺されちゃ駄目なんだ」
♢「うまれたものは やがて しにます。わたしたちが、わすれられたら きえてしまうように」
♡「転がったガラスの靴……ねえ、誰なの?思い出せない……!」
♧「すまない、アリス。こうするしかなかったんだ。___さよなら」
♡「そんな、」
♤「嫌だ、嫌だ消えないでゲルダ!!ゲルダッ!!」
♡「何か…何かあるはずなの!この物語を、幸せに導く方法が」
[ガラスが砕ける音]
(ゆっくりと)
♡これは、
悲しみと、
裏切りと、
復讐と、
狂気と、
切望の物語。
♡「書き換えよう。私たちの物語を」
***
アリス
この物語の“主役”。愛されているが故に、残酷な優しさを持つ。
物語を完結させないために、結末を破りとる。
赤ずきん
幼女とは思えないほど達観している幼女。
大好きだったクックロビンの一節の、覚えているところだけをずっと口ずさんでいる。忘れないために。
ジャックザリッパー
日本語で言うと、“名無しのジャック”。個性も名も無い彼にとって、物語は己の心臓と等しい。
カイ
“雪の女王”の男の子の方。かつて凍った心のせいか、ゲルダさえいれば消えてもいいとさえ思っていた。
唯一物語を変えることの出来る“主役”に望みを託す。
誰かを殺さなければ自分が殺されてしまう、忘れられてしまう、そんな世界。誰かを踏みつけ、傷つけてでも、愛されようと手を伸ばす童話の主人公たち。
彼らの世界は、紙とインクだけでなく、[誰か]の愛情で出来ている。
この物語も、所詮そのひとつでしかないのです。
いずれ忘れられゆく彼らと、その未来を。そういう意味では、“物語”ではなく“歴史書”なのかもしれません。
モデルは現実世界の“彼ら”。
性別、口調、タイミング、アドリブ、セリフ改変、自由です。ご自由な解釈でどうぞ。
拍手、コメント、フォロー等いただければ、とても喜びます。
#声劇 #台本 #灰宮しゃるの台本
Comment
No Comments Yet.