迫ってくるもの。
読み手【 】書き手【春、】
迫ってくるもの。
- 112
- 9
- 3
#一人声劇 #声劇台本
ぜひとも使ってくださいあばば、
それは私の遠い記憶。
忘れていそうでずっと覚えている。
昔、お葬式に行ったことがある。お母さんのおばあちゃんのお葬式だったかな。
私はまだ上手く話もできなかった頃、お世話になっていたらしい。
幼かった私はお葬式というものが何だかも理解していなかった。何故か母が泣いている。叔母も泣いている。みんなが暗い顔をしている。
幼い私に分かったのはここが明るい雰囲気ではないことぐらいだった。
最後にひいおばあちゃんの顔を見たのは花を添えるとき。花を置いたらすぐそこに顔があって、私はそのとき感じた気持ちを忘れることができない。
「恐怖」
ただただ眠っているだけに見えるひいおばあちゃんはもう目を覚まさない。安らかともいえない、日常にある普通の寝顔。今にも目をあけそうで、一生そのときはこない。その顔が脳にこびりついた。
お葬式が終わって家に帰って、私は感じた恐怖のホントの意味を知る。夜中トイレで目が覚めて、起き上がったとき、見えてしまった家族の寝顔。それがひいおばあちゃんの顔とダブって見えた。両親もいつしかあんな風に眠ってしまうのだろうか、そう思うと震えが止まらなくなった。
その「恐怖」は今もこびりついている。成人した今も私はおびえながら生きている。
Comment
3commnets
- 春、@退院!ただし怪我人ききにいきますね!ε-(/・ω・)/
- 春、@退院!ただし怪我人
- イベリスお借りしました!