【朗読】左翼の願い
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【朗読】左翼の願い
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ある男が、仲間へ願いをかけました。
久々の台本、五作目になります。
今回は、一応「K」というアニメの二次創作的なネタになります。
ご存じの方は、十束さんが死後の世界で思っていたことを書いてみたと言えばわかるでしょうか。
主に、十束さんから吠舞羅(キングと草薙さん)へのメッセージ的なものになります。
ですが、Kを知らない方でも使える仕様にはしたつもりですので、知らない方でもお気軽にお使いください!
(ちょっと早口でないと収まらないです、すみません)
使用の際は拍手かコメントをくださると咽び泣いて喜びます。
一人称や口調の多少の改変はご自由にどうぞ。
* * *
こんなことを言ったらきみは怒るのかもしれないけど、俺のためにきみ達が駆け回ってくれていたことが、俺はたまらなく嬉しかったんだ。
あの日、あの少年に殺された俺は、ずっとこの場所で待っている。
きみ達と一緒に過ごした、あのバーに似ている、この場所で。
備え付けられた旧式テレビに映される、きみ達の姿を見ながら。
(1:06)
きみ達が俺のために泣いてくれること、きみ達が俺のために怒ってくれること、きみ達が俺の仇を討つために、町中を駆け回って犯人を探してくれること。
その全てが、どうしようもなく嬉しかった。
そして何より、最後はきみの手でカタをつけてくれたこと。
やっぱり、俺は幸福だった。
だけど、これだけ言わせてほしい。
「来るのが早いよ、『 』。」
そう言って笑えば、きみはゴツっと俺の頭を小突いて、俺の隣に座ると煙草をくわえた。
きみと並んでテレビを見れば、今度はきみのために泣いている彼らが見える。
その片隅に、静かに目を伏せるあの人もいた。
あの人は、泣いていない。
もう始まりの三人は、あなただけになってしまったね。
一番酷な役回りをさせて、ごめんね。
画面越しのあなたには、決して届かないのだけれど。
(0:08)
願わくは、あなただけはどうか、俺たちを長く待たせてください。
* * *
『』の中は、ご自由にお考えください。
Kに則るのであれば、ここは『キング』ですが、皆さんのお好きなお名前を、あるいは読まなくてもいいでしょう。
解説という名の設定
この人がいる場所は、言わばあの世とこの世の境目です。
死んだ人間はこの場所で、未練がなくなり成仏できるのを待ちます。
言ってしまえば、死後の「待ち合い室」ですね。
その場所は、その人にとって生前もっとも思い入れのある場所に姿を似せてくれます。
この人……十束さんにとっては、自分の仲間たちと過ごしたバーが、もっとも思い入れのある場所。
そのバーで、仲間の行く末を見守っていた。
どれだけの長い時間をここで過ごすことになってもいい。
いくらでも待っているから、またここで仲間たちと会いたかった。
それなのに、どうやら一人、早く来すぎたようです。
十束さんの命日の23:45に上げられてよかった。
Kに関する解説
語り手(十束さん)は、ある少年に殺されました。
語り手の仲間は仇を取るため、犯人を探して町中を駆け回ります。
そして最後には、語り手がもっとも強く結び付いていたのであろう存在、彼がキングと呼ぶ男が、その命と引き換えに仇を取る。
キングが死んだのは、語り手が死んだわずか10日ほどあとのことだった。
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