EveR∞LastinG∞Night -1-
ひとしずくP×やま△
EveR∞LastinG∞Night -1-
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#TZnana
❁︎
「✕月○日」
千秋楽。
突然の事故にみんな驚きを隠せない。
主役のあいつがあんなことになるとは。
ただ、最高の笑顔を見せていたあいつの顔を、俺は忘れることが出来ない。
もう一度でいいんだ。あいつと舞台がやりたい……!
それができたなら俺はもう後悔はしない。
「✕月△日」
夢を見ているのか?
信じられない事が起きた。
どうやら俺は、俺たち主役を除くキャストは、
あの台本の中に迷い込んでしまったらしい。ほかの役者も同じ思いを抱いていたところ、目が覚めるとこうなっていたという。
夢の中でダレカの声を聞いた。
「現実に帰りたいなら、本当の終わりを探し出しなさい。そして、私に素晴らしい「舞台」を見せてくれたまえ。」
「✕月△日②」
さらに信じられないことは続く。
あのこが俺たちの前に現れた。
でも、あいつには俺たちと舞台をともにした記憶がないらしい。
ダレカが俺たちの願いを叶えてくれたんだ!
さあ、舞台を始めよう
そして終らせてみんなで帰るぞ!
「✕月△日○(掠れていて読めない)」
なぜだ?なぜ何度やっても現実に帰れない……?
俺たちは台本通りに物事を進めているはずなのだが??何が違うのだろうか。俺たちのなかでの違和感とすれば、あのこの存在。あのこがもし、俺たちの知らない、「あのこ」であるとするなら……?
さあ、今夜もあのこをどうにかして
❁︎
ノートに文字を綴っていると
扉の音が聞こえた。
今夜の始まりの音だ。
「さあ、今度こそ終わらせるんだ」
一冊のノートを置き、黒髪の少年は書斎をあとにした。
「あのこを連れて、現実に帰るんだ。」
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