一人声劇「水面のワルツ」
読み手【壱】/BGM【四ノ宮りゐ】
一人声劇「水面のワルツ」
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久しぶりに。
情景が素敵な、シンプルで綺麗な台本だった!
地の文もう少し淡々と読むべきだったなぁ……。 っていうか台詞部分ふつうに朗読じゃない読み方して申し訳って感じでした……癖で(
[台本]
雪のちらつく静かな夜、
一人の召使いが家路(いえじ)を急いでいた。
ふと顔を上げると、街灯に照らされ
何やら影が揺れている。
そこには、真新しい革靴を履いた少年が一人。
口元を仄かに(ほのかに)白く染めながら、
軽やかにステップを踏んでいる。
彼女の視線に気づいてか、少年は顔を上げた。
―――ワルツを練習しているのです。よろしければ、お相手をしていただけませんか?
不意に声をかけられ、彼女は「はい」と返事をしてしまう。
そして二人は、
雪の絨毯(じゅうたん)を踏みしめワルツを踊る。
悩みや不安も忘れ去った頃、真夜中を告げる鐘が鳴った。
―――いけない、私は御使いを頼まれていたのでした。
彼は少し寂しそうな顔で頷く(うなずく)。
そして、丁寧なお辞儀をひとつ、彼女にくれた。
ふと聞き忘れたことを思い出す。
振り向くと、そこに彼の姿はなく。
ずぶ濡れた革靴がひとつ、
街灯に照らされ、佇んで(たたずんで)いた。
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