【声劇】午前零時の観念論
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【声劇】午前零時の観念論
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声劇です。
サイコパスで臆病な殺人鬼と、被害者の会話。
殺人鬼「どうして自殺してはいけないのか、考えたことがあるかい?」
被害者「ないとは言いきれないけれど、それを貴方と同じように考えたことはないわ。私は貴方なんかとは違うもの」
殺人鬼「あはは。酷いな、まるで僕が異常者みたいに言うじゃないか。僕はね、素晴らしい明日を生きたいんだ。明日を生きるために、今日を死ななければならない。そう思うんだよ。でも君を残していくわけにはいかないだろ?だから今日、君を殺してあげて、僕も一緒に死んであげるんだ」
被害者「分からないわ、死んだら明日になんか行けない!私は、明日を生きるために、今日を生ききってみせる。あなたのその持論を真っ向から否定するわ」
殺人鬼「どうしてそんなに怒るんだい?よく考えてみて。僕は何もおかしいことなんて言っていない。これは真理だ。過去を生きることはできない、過去は死ぬんだよ。だから過去に取り残されないよう、殺してあげるんだ。これを悪だと捉えるのは君の主観であり、僕の主観は違う。法律も倫理も、主観の押し付けでしかないのだから、僕だって正しいんだ」
被害者「あなたは、正誤以前に、善悪の区別すらつかないの?」
殺人鬼「僕の、どこが悪だというんだ?このまま続く明日は怖い。だから生まれ変わった未来に希望を抱くように今日を死ぬことの何が悪い。君にとって恐怖に慄くことは善いことなのかい?」
被害者「そ、れは……」
殺人鬼「ほら、答えられない。それが、君の答えだ。そしてそれはーー僕の、僕達の主観になるんだ」
サイコ「さあ――明日のために死のう。」
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2021.09.12 改変
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