【雨音と君】〜月の光
*カミツレ * 読み手:くろじぃ
【雨音と君】〜月の光
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心惹かれる台本に出逢ったので、朗読してみました。なんか小学校の国語の授業を思い出すなぁ~(*´ー`*)
素敵な台本、ありがとうございましたm(_ _)m
----台本----
今朝もあの子は、フルートを吹いている。
朝練だろうか。向かいの校舎、四階の窓をすこし開けて、風に長い髪をそよがせて。
こんな つめたい雨の日なのに。
小林くんの、大切な彼女さん。
熱心だよな、って誇らしそうに見つめてる彼。
世界でいちばん優しい目をしている。
そう、私には決して向かないような目を。
小林くんが腰を上げた。
風邪、引いちゃうよな。
そういって教室を出ていった。
私は雨の音に包まれる。
小林、また四階に行ったぞ。
仕方ないよ、まだ事故から3か月だもの。
クラスのざわめきが、つめたく胸におちる。
渡り廊下を走る彼だって、ちゃんとわかってる。
彼女はもう、風邪なんて引かない。
いい加減こっちを見てって、言いたいのに。
こんなに綺麗で悲しくて、何も言えやしない。
私たちの目にしか映らない、彼女はフルートを吹いている。
秋雨のなかに、髪がそよぐ。
#声劇 #切ない #不思議 #カミツレの台本
Comment
1commnets
- @ ❼cRこちらこそ~♪ 素敵な台本、ありがとうございました!! もし気に入った新作が出たらまたコラボしたいので、フォロー失礼します!