【声劇台本】骸骨譚詩
【BGM】レーニャ・【台本】明治・【読み手】あなた
【声劇台本】骸骨譚詩
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ナチュラル悲しいバージョン
明治さんの言葉選びと文章の雰囲気が大好きです。
ひこまる解釈読みバージョン
https://nana-music.com/sounds/031a5c38/
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【セリフ】
今日は目玉を1つ落としました。
昨日は腕を1本腐(くさ)らせました。
先週は片足を引きずって、去年は何をなくしたっけ。
それでも廃空(はいぞら)が背骨を舐(な)める荒野(こうや)を歩き続けました。
明日は頭を無くします。
明後日は爪を剥(は)がします。
何年もあとには心臓を抉(えぐ)るでしょう。
そのときには茜空(あかねぞら)の錆びた荒野を歩いているだろうと思います。
腕がないので、大事なものを落としてしまいました。
足がないので、それを拾うことができませんでした。
頭がないので、大事なものを忘れてしまいました。
ひらすら歩き続けたので思い出すこともできませんでした。
けれど心臓を壊すことはできませんでした。
それが、"本当に大事なもの"だったので壊すことができませんでした。
骸骨(がいこつ)はただ歩き続けた。
本当に大事なものを抱えて、光射す大地を仰ぎ見ながら、ただ歩き続けた。
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