【声劇】空虚
鈴蔵庫
【声劇】空虚
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台詞
透明な箱の中で、泣いている。
透明というのかな。それよりも白い。
色の無い世界みたいな、そんな空間。
ひとつひとつが当たり前のように存在を主張していて、
それを当たり前のように受け止める。
それなのに、
なんで?
僕がいくら主張しても、だれも見ない。
だれも聞かない。
だれも受け止めてくれない。
だれも僕を知らない?
僕がいないのが当たり前?
だれが泣いてる?
潰れてしまいそうで、儚くて、小さい。
そんな声だった。
「なんで泣いてるの?」
口にする前に消えてしまったその言葉は、
だれのもとにも届かなかった。
空白の時間は、僕をすぐ置いていく。
空白のくせに。からっぽのくせに。
僕よりなにも無いくせに。
いつかだれかが言っていたな。
「空白は思い出」
だれだっけ。
思い出せないまんまだ。
いつも。
でも良い言葉だと思う。
箱。を、のぞいた。
泣いている?
だれが泣いている?
ああそうか。
僕だ。
泣いてるのも、空白も、からっぽも。
全部、ぜんぶ僕なんだ。
Comment
1commnets
- ニベア 🌷コラボありがとうございます! 完成度高くてすごくいい声ですね(*´꒳`*) またの機会があればよろしくお願いします✨