【一人声劇】 雨の中で 【朗読台本】

台本 翠鈴 / 読み手

何かをなくしてしまった、誰かの話 ✩ 『ごめんなさい』 闇夜に光が駆けていく。 この悲しみはもう消えることは無いだろうし、私は濡れるのも気にせず傘を落とす。 嗚呼、どうかこの雨が、私の全てを流してはくれないだろうか。 涙の代わりに流れて、悲しみを空っぽにしてはくれないだろうか。 そんなことがないのはわかっているけど、それでも、そう思いたい。 嗚咽が雨の音に紛れて響いている、一周まわって私の耳によく届く。 嗚呼、どうしてこうなってしまったの。どうして防げなかったの。 つくづく思う。己の弱さと臆病さを憎みながら。 この状況を変えたいと思う。でも私にそんな勇気はない。力も無い。 私には今何も残されていない。空っぽだ…空っぽだ。 明日からどうやって生きていけばいいか分からない。 どうして、どうして、どうして、と、 後悔だけが頭をぐるぐるぐるぐる回って離れない。 帰ってきて、私の腕に。お願いだよ…。 ＿＿＿＿＿大きな音がする。闇夜に光が駆けていく。 私はずっと、この場所から動けないままだ。 ✩ 誰かが何を失くしたのかは自由に想像してみてください 例えば、 友達ともう二度と顔向けできないような喧嘩をしてしまったかもしれない 恋人と死別したのかもしれない 好きな人に好きな人ができたのかもしれない 大切な人を手にかけてしまったのかもしれない そんな誰かが、雨の強い外に飛び出して、ひたすらに何かに対して謝っている ずっと何かを待つように、曇天を見上げている＿＿＿＿＿ ✩ 翠鈴です 雨の音を聞きながら書きました よかったら読んでいってくださいね 多少の改変、性別変更自由です 拍手コメントよければお願いします！ (前作➨【ホラー】 人魚の儚い恋 【一人声劇】https://nana-music.com/sounds/02c27794/ ) #BGM #悲しい #翠鈴の台本 #朗読台本 #声劇 #雨 #病み #nana民と繋がりたい