【声劇】　クローン人間

声劇

私は意地が悪いので、これをただ切なくて優しい物語にはしたくなかったのです。抑えた感情が溢れた様を表現出来たなら本望です 以下台本 ✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽ 僕(私)は君の代用品。 生まれた理由は君のため。 君の身体が怪我したら、君の内臓が壊れたら、僕(私)のを君にあげる。 それだけの人生。 僕(私)と君は同じ顔。 声だって。 心臓の動き方だって一緒。 血も涙も同じ味。 それなのに、どうして？ 僕(私)は君の代用品。 そう、僕(私)の代用品。 君のクローンとして生まれて来た。 君が長く生きるため。 君に不自由の無いように。 そのために僕(私)は自由を失い。 こうやって、独り部屋に閉じ込められて。 いいな。 幸せな君は。 羨ましいな。 幸せな僕(私)は。 君と僕(私)は何が違ったの？ ただ、生まれたのが一歩遅かっただけ。 少し愛されなかっただけ。 …それだけなのに。 代用品になった。 運命って、本当に残酷だ。 ねぇ、同じ顔の君。 僕(私)の分まで、生きてね。 #声劇 #一人声劇 #声劇台本 #台本 #切ない #ペテン師の台本