【朗読台本】シルバーリング

読み手:イグ 台本:寝狐

君の左手の薬指には、俺のあげたシルバーのリングが光ってる。 君がそれをたまに撫でながら眺めていること、俺は知ってる。その目にリングは映っていないことも。 俺は知ってる。君が後悔してること。俺に指輪を貰ったことを、君はとても後悔している。 俺は知ってる。シルバーリングを撫でながら、君が何を見ているのかを。俺のあげたそれより前にその指に光っていたものを、君は思い出している。安っぽくて、少し変色しちゃってて、鉄臭い……俺のあげたリングには到底かなわない。なのに。 そんなにアイツがいいの？あんな、ヒョロくて、金も無い、背も低い、どこにでもいるような、平凡な、あんなヤツにっ、…俺はいつになったら勝てる！？どうしたら俺を見てくれる！？ 問い詰めたら、君は泣いた。ごめんねと呟きながら。その震える肩を抱き寄せて、俺は考えた。 この世にいないヤツには一生、勝てることなんてないのだと。 #声劇用台本 #声劇用 #声劇 #シュリオリジナル #シュリBGM #ソロ声劇 #1人用台本 #寝狐 #男性用 #ソロ #朗読劇 #朗読台本 #朗読用台本 #シリアス #切ない