【声劇】もう少しだけ【台本】
台本 ゆみ
【声劇】もう少しだけ【台本】
- 54
- 2
- 0
.
☞君とまだ過ごしていたい
綺麗な夜景が見える場所。
そんな場違いな場所に、ボクら2人、佇んでいた。
周りはこの綺麗な場所に感嘆してるのか、とてもざわめている。
だけれどそんな声が聞こえないくらい、ボクらは夜景に夢中になっていた。
「……綺麗だね」
ふと聞こえてきた彼女の声に、ボクも「うん」と思わず答えた。
ビルの灯り達が煌めいて、大袈裟かもしれないが、異世界に来ているような、そんな感覚がした。
「ずっと、見てたい」
「うん…」
「ずっと、あんたと見てたい」
声が震えているのが分かった。
涙が零れそうな声だと気付いた。
だけれどボクは敢えて、その声に言葉を掛けたりしなかった。
じゃないと、ボクまで泣いてしまいそうだから
「っ……いやだ、やだよぉ……まだ、」
気の強い彼女の弱音。
決して人に弱味を見せない彼女の小さな背中。
学生時代「男女」と呼ばれていたとは思えない、弱々しい女の子の背中だった
「大丈夫だから、」
根拠はなかった、自信はなかった
正直、ボクも心底君と同じように嫌だ。とても泣きたかった。
でもそれと同時に安心させたかった
「もう少しだけ、この景色に浸ってようよ」
もう少しだけ、彼女にくっついていたい。こんな綺麗な景色、もう一生見れないかもしれない。
彼女の左目から涙が流れ、「そうだね」ととても儚い綺麗な微笑を浮かべた
「.....死にたくないよ、」
ボクは彼女の呟きに気づかないふりをして、一緒に笑って見せた。
☞一人称変更あり
☞性別転換あり
☞最後の「しにたくない」を「行きたくない」「生きたくないなぁ」「帰りたくないよ」と改変してくださっても構いません。
.
因みに書いてる内にこの台本を思い出しました
https://nana-music.com/sounds/02c8483d/
設定的には、心臓病だった高校生だった女の子が大学生まで何とか生きたけれど、医者からいよいよ『余命宣告』をさせられてしまった。
だから夜景を見に行こう、と幼なじみが手を差し伸べ、今この場面。
彼は一切触れようとしなかったが、彼女の言葉に一言一言「死んで欲しくない」と感じていた。
そしていよいよ「死にたくない」と口にした彼女に、安心させてやろうと、涙は流さず、笑って過ごした
【彼女の幼なじみ視点】
然しあくまでも設定ですので、自由に演じて下されば幸いです。
.
#声劇 #声劇台本 #シリアス #なんでもないや
Comment
No Comments Yet.