【声劇台本】夕日とパンクした自転車と私と

台本:カルパッチョ 朗読:なるへそ王

#台本 #声劇 #朗読 #nana民と繋がりたい セリフ 夕方 学校からの帰り道 派手にパンクした自転車をひきずりながら 河川敷沿いを歩く 突然、小さい頃からこれでもかというほどに 耳にしている音楽が流れる 午後の5時を示す「夕方のチャイム」だ。 もうそんな時間なのか… この調子だとあとは30分もかかるだろうなぁ… そんなことを考えていると だるそうに自転車をひきずる自分の影がみえて 余計に自分がみじめに思えてきた 今日は本当についてない。 朝から遅刻はするし お弁当は忘れるし テストの結果はさんざん 部活では失敗した所を先輩に見られて 帰り道には自転車をパンク… ここまでついてないと逆に笑えてくる 涙がこみ上げてきそうになり 顔を上に向ける 夕日だ こんなにまじまじと夕日を見たのはいつぶりだろう 小さい頃はよく夕方のチャイムを聞きながら 友達と夕日を見ながら歩いたなぁ… オルゴールの優しい音色と真っ赤な夕日を見て私は 不思議と涙となにか暖かいものがこみ上げてきた。 「よしっ、もうひとがんばり！」 そうして、私は再び歩き出す。