また思い出す日まで 声劇台本
台本 しろ : 読み人 あなた様
また思い出す日まで 声劇台本
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彼と出会った日のことを今でも鮮明に覚えている、なんて言えたら、私が彼を愛していた証拠になるのだろうか。
そう思い立って記憶の引き出しを開ける。
整理なんて必要ないほど私の引き出しには思い出が詰まっていない。
殆ど空の引き出しをひっくり返しても、その日の思い出は姿を表すことはなかった。
少ない思い出を振り返れば、彼はとても真っ直ぐで素直な人だった。
「思ったことを言って欲しい。気持ちは言葉にしなければわからない。」
初めに彼と交わした約束を、私が果たせる日はとうとう来なかった。
彼はどこまでも実直で真面目だった。
そんな彼に私は嫉妬心を抱かずには居られなかったのだ。
何度も思い出しては忘れて、繰り返される。
呪いのようなその想い出にもう私は殺されてしまったのかもしれない。
だからさようなら、また思い出す日まで。
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
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たかみぅーさん
https://nana-music.com/sounds/0307ee56/
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- 美雨お借りします^^*