【朗読声劇】黄昏【台本】
台本:淡月 声:
【朗読声劇】黄昏【台本】
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終末の焦燥と夏の終わり
ー‐ー‐ー‐ー‐ー‐ー‐ー‐ー‐ー‐ー
【台本】
例えば朱に染まる空に
筆圧の濃いこの手紙を
千切って 粉々にして 投げ捨てたなら
それで僕は報われたのだろうか
それで君は
幸せだったのだろうか
足音が遠ざかる
黙って手を振るのが惜しくて
あるはずない『また明日』を探した
その澄んだ瞳を濁したくなくて
喉元まで出た言葉を濁して
きっと僕は、それで満足だったのだ
惨めだと蔑まれても
醜いと罵られても
くすんだ僕の心には
綺麗な言葉もきっと届かないから
口から出るのは嘘ばかりなのだ
妥協案ばかり考えるから
その華奢な肩も守れなかったのだ
嘘と本音のはざまに僕の葛藤を
笑ってくれるだけで
―僕は満足なのだ。
ー‐ー‐ー‐ー‐ー‐ー‐ー‐ー‐ー‐ー‐
秋の始まりは目の前に
めくるめく季節は成長を知らない
#淡月制作台本
#シリアス声劇
#上級者向け声劇台本
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