【朗読台本】後ろにいるモノ
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【朗読台本】後ろにいるモノ
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何かから逃げる話
私の後ろには、ずっとソレがいる。
ソレはだんだんと近づいていた。
そのことをわかっていたのに、ソレが恐ろしくて、ずっと見ないふりをしていた。
夏の終わりのことだった。
振り向いて、遠くを見ることでやっと見えていたソレは、いつの間にかすぐ近くまで近づいていた。
ソレは何かを言っていた。
ある日、夜中に目が覚めた。
あの頃からさらに近づいてきたソレの声がする。
「逃げるな、逃げるな」
ソレはそう言っていた。
ソレに捕まったら、私はどうなるのだろうか。
恐怖と焦燥で胸が詰まって、吐きそうだった。
ソレは、今日も私の後ろにいる。
もうすぐ、手が届くだろう距離に。
あと何日捕まらないでいられるのだろうか。
私には、わからない。
ただ、ソレの言葉が耳にこびりついていた。
素敵な曲をお借りしました。
#一人朗読 #声劇 #朗読
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- kino:「皆さんのコメントや拍手大切に読ませていただいてます!遅れますが返します」ひよこさん素敵な台本お借りしました!有り難うございました!