【声劇】幸せと甘い木の実

cv.◯◯・◯◯ 楽曲/千倉槽介 台本/襖猫

千倉槽介さんのオリジナルBGM 眠れる竜と優しい夢 をお借りしました。 最近小難しいお話ばかり書いているので 絵本のようなのんびりしたお話を書きたいなあ、 と思いiPhoneをポチポチしていたら、 結果、完成したのは人喰いの化物の話でした。 少年は見ての通りの少年ですが、 化物に関しては、性別も年齢も問いませんので 自由に演じていただけると嬉しいです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 少年:ねえ？ここはどこ？ 化物:美味しそうなぼうやだねえ。 少年:もうこんなに暗くなっちゃった。 はやくかえらないと母さんがしんぱいするんだ。 化物:そんな事は気にしなくていいよ。 捜しに来たなら喰ってやるし、 捜しに来ぬなら、そんな悪い親など ぼうやの方から捨てておやり。 少年:…お腹がすいているの？ 化物:そうさ、ワタシは腹ペコなんだ！ だからぼうや！おとなしく… 少年:あげる！ 化物:……？ 少年:この白い木の実はとってもあまいんだ！ でね、赤い実は少しすっぱいけど、 すごくたくさん水分がはいってるから、 ノドがかわいてるとすごくおいしいんだ！ 化物:…おい！ こんなモノで… 少年:父さんがおしえてくれたんだ。 「与えるものにこそ、幸福はおとずれる」 …よくわかんないよね？ ぼくもよくわからないんだ。 だけどね。 お腹がすいてるからって、おどかして 取ろうとしちゃダメだよ。 それじゃ幸せになんてなれないよ？ 化物:…あ、あの、おい！ 少年:こういう時は 「ありがとう」っていうんだよ！ 化物:あ…ありがとう。 少年:またね！ きみに幸福がおとずれますように！ 化物:…美味しい…。 あのぼうやは…また来るだろうか…？