[声劇台本][一人声劇] “渇望”

☆読み手()☆台本(そなー)

八月の猛暑が終わり、秋が近づいて来ましたね。この時期になると、春を思い出し、少しだけゆっくり歩いてしまいます。 さて、皆さんが「孤独」を感じるのはどんな時でしょうか。 寂しい時、周りの人と合わない時、裏切られた時。色々な孤独の形があると思います。 心に隙間ができてしまったような切ない気持ち。 そんな気持ちを経験した人にしかわからない景色があります。 今回のテーマは欠落した少年の「孤独死」 本当の孤独とは、痛々しく、綺麗なものです。 ------------------------------ 僕は生まれながらに欠落していた。 欠落した部分を探していた。 無いものを拾い上げた手は朽ちて行き、 必死で追いかけた足はもう動かなくなってしまった。 それでも僕は探し続けた。 拾い上げた時の優しさが、 追いついた時の喜びが、 僕の渇きを潤してくれる。 例えそれが...後に僕を傷つけようとも、 探し続けた。 怖いから。 逃げていた。 孤独から。 でも...もう疲れちゃったんだ。 もう、心が言うことを聞かなくなってしまって、 口に無理やりねじ込んでいた食事も、 １時間に２度は飲むようにしていた水さえも、 もう何日もとっていない。 いつからだったろう。 空腹も、喉の渇きも無くなった。 ああ...誰か。 誰でもいいから...訪ねてこないかなぁ... 雨音に、空虚な望みが掻き消されて行く。 あの路面のように、僕の渇きも潤してくれればいいのになぁ... 一筋、涙を零し、 ...僕はそっと、目を閉じた。 ------------------------------ 色々文を考えたのですが、 長くなりそうなので一言だけ。 孤独に負けないで生きている君のことを、 僕は心から尊敬し、僕が送る全ての想いが君の助けになることを祈っています。 #声劇#台本