【朗読台本】崩壊

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狂気に囚われた人の話 長い旅が終わった。 「悪」は滅ぼされ、世界に平和が訪れた。 ・・・そのはずだった。 魔族という「悪」を滅ぼした世界は、また、新しい「悪」を生み出す。 それは、一人の人であったり、一国の王であったり・・・かつての、仲間であったり。 共通の「悪」を失った世界は、とても脆く、醜かった。 俺たちはこんな世界を守ったのか。 仲間の一人がそう言ったのを、確かに覚えている。 仲間たちはそんな世界に失望し、絶望し、一人ひとり消えていった。 残ったのは、自分だけ。 みんなのように、諦めてしまえば良かったのかもしれない。 それでも、どうしても諦められなかった。 昔の美しい世界が忘れられなかった。 どうすれば、かつてのような世界になるのか。 救いたかった、あの時のようになるのだろうか。 それをずっと悩んでいた。 悩んで、悩んで、ある時分かったんだ。 そうだ、新しい、共通の「悪」に成ればいい。 素敵な伴奏をお借りしました！ #声劇 #朗読 #一人朗読